インストール

薬剤在庫管理システムのインストール方法について説明します。

前提・事前準備

想定するセットアップ環境

薬剤在庫管理システムをインストールするマシンは、以下のオペレーションシステムの前提とします。

インストールするサーバはインターネットに接続できる状態にあるものとします。
また、薬剤在庫管理システムで使用する8080番ポートは開放済みであるものとします。

事前準備

薬剤在庫管理システムのインストールパッケージ(拡張子.deb)を予め入手しておきます。
以下の手順では ~/orcastock.deb に配置しているものとします。

また、本手順書の作業を実施するためには、「PostgreSQLの orcastock ユーザのパスワード」を事前に用意する必要があります。 特に制約はありませんので、PostgreSQLのパスワードとして利用可能な文字列を用意ください。

セットアップ手順

ORCAプロジェクトのパッケージを利用するため、公開鍵をapt-keyに追加します。
以下のコマンドを実行し、apt-lineの公開鍵を取得、追加します。

$ wget -q https://ftp.orca.med.or.jp/pub/ubuntu/archive.key
$ sudo apt-key add archive.key

次に以下のコマンドを実行し、ORCAプロジェクトのパッケージを取得するためのapt-lineを追加します。

Ubuntu 14.04 の場合

$ sudo wget -q -O /etc/apt/sources.list.d/jma-receipt-trusty50.list https://ftp.orca.med.or.jp/pub/ubuntu/jma-receipt-trusty50.list

Ubuntu 16.04 の場合

$ sudo wget -q -O /etc/apt/sources.list.d/jma-receipt-xenial50.list https://ftp.orca.med.or.jp/pub/ubuntu/jma-receipt-xenial50.list

最後に以下のコマンドを実行し、パッケージデータベースを更新します。

$ sudo apt-get update

インストール

予め入手している薬剤在庫管理システムのインストールパッケージ(orcastock.deb)をインストールします。

GUI環境の場合

インストールパッケージ(orcastock.deb)をダブルクリックすると、ソフトウェアのインストール画面が表示されます。 「インストール」ボタンを押してインストールを実行します。特権ユーザの権限が必要となりますので、パスワードの入力を要求された場合は適宜入力します。

CUI環境の場合

以下のコマンドを実行します。gdebiコマンドがすでにインストールされている場合は1行目は不要となります。

$ sudo apt-get install -y gdebi
$ sudo gdebi ~/orcastock.deb

上記を実行することで、orcastockユーザが作成され、またアプリケーションの実行に必要なファイルが以下のディレクトリに配置されます。

アプリケーションのセットアップ

以下のコマンドを実行し、薬剤在庫管理システムの初期セットアップを行います。

$ sudo /var/services/orcastock/files/setup.sh

スクリプトを実行すると、質問が表示されます。以下を参考に入力します。 以下は新規でデータベースのインストールを行う場合の入力例です。

 $ sudo /var/services/orcastock/files/setup.sh
薬剤在庫管理システムのセットアップを開始します
========================================================================================================
薬剤在庫管理システム用に新規でデータベースのインストールするか、既存のデータベースを利用するかを選択してください。
  データベースのインストールを行いますか?(y/N) y    ← y を入力
  > データベースのインストールを行います。
========================================================================================================
続いて作成するデータベースの接続情報を入力してください。
  データベース接続ユーザ: orcastock
  データベース接続パスワード:                      ← 予め用意しておいたDB接続用パスワードを入力
  > 確認用にもう一度入力してください。
  データベース接続パスワード(確認用):               ← パスワードを再入力
========================================================================================================
データベースをインストールする準備が整いました。
インストールを開始します。
  :
 (中略)
  :
========================================================================================================
構成情報の確認を行います。
データベース起動状態      .....................   OK
データベース自動起動設定   .....................    OK
データベース接続の確認    .....................    OK
アプリケーションの起動状態 ..................... OK
アプリケーション自動起動設定..................... OK

>(SUCCESS) 薬剤在庫管理システムのセットアップが完了しました。

セットアップが正常に完了すると、薬剤在庫管理システムはすでに起動済みの状態となります。 Webブラウザで、薬剤在庫管理システムをインストールしたマシンの8080番ポートにアクセスし、薬剤在庫管理システム画面が表示されることを確認してください。

なお、Ubuntu14.04の場合は、OS起動時に自動起動する設定にはなりません(上記、実行結果にも自動起動に関する内容は出力はれません)

日レセと連携するための有効化設定

日レセ5.0では、デフォルトの状態では薬剤在庫管理システムと連携するためのAPIが無効化されています。
薬剤在庫管理システムと連携させるには、日レセのサーバ上で有効化プログラムを実行します。

## ミドルウェア更新をおこなう
## (ミドルウェアのバージョンが低い場合、連携することができません)
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get dist-upgrade

## 作業ディレクトリに移動する(ここでは/tmpとする)
$ cd /tmp/

## 有効化プログラムを取得する
$ wget https://ftp.orca.med.or.jp/pub/data/receipt/tec/api/haori/install_onpremise.tgz

## tgzファイルを解凍する
$ tar xvfz install_onpremise.tgz

## 有効化プログラムを実行する
$ sudo -u orca bash ./install_onpremise.sh

## 日レセを再起動する
$ sudo service jma-receipt restart

注意!
上記手順の実行後、日レセの「プログラム更新」を行うと、有効化したAPIが再度、無効化されてしまいます。 このため、日レセの「プログラム更新」を行った際には必ず上記手順を実行し、薬剤在庫管理システムとの連携APIを有効化する必要があります。

薬剤在庫管理システムのバージョンアップ手順

薬剤在庫管理システムをインストール後、 新しいバージョンにバージョンアップするには新しいバージョンのインストールパッケージ(orcastock.deb)を入手して、以下の手順を実行します。

GUI環境の場合

インストールパッケージ(orcastock.deb)をダブルクリックします。

CUI環境の場合

以下のコマンドを実行します。

$ sudo gdebi ~/orcastock.deb

薬剤在庫管理システムの管理コマンド

Ubuntu 14.04 の場合

薬剤在庫管理システムの起動・停止・状態確認等の管理は以下のコマンドで行います。

状態確認

$ sudo service orcastock status

起動

$ sudo service orcastock start

停止

$ sudo service orcastock stop

Ubuntu 16.04 の場合

薬剤在庫管理システムの起動・停止・状態確認等の管理は以下のコマンドで行います。

状態確認

$ sudo systemctl status orcastock

起動

$ sudo systemctl start orcastock

停止

$ sudo systemctl stop orcastock

自動起動ON

$ sudo systemctl enable orcastock

自動起動OFF

$ sudo systemctl disable orcastock

薬剤在庫管理システムのバックアップ・リストア

薬剤在庫管理システムでは、登録された情報はすべてPostgresSQLデータベースに格納しています。
システムのバックアップは以下の手順で行います。

## まずシステムを停止する
$ sudo systemctl stop orcastock

## PostgresSQLの内容をファイルにダンプする
$ sudo -u orcastock pg_dump -Fc orcastock_prod > orcastock.dump

## システムを起動
$ sudo systemctl start orcastock

バックアップを復元する場合は以下の手順で行います。

## まずシステムを停止する
$ sudo systemctl stop orcastock

## いったん保存されている内容をクリアする
$ sudo -u orcastock dropdb orcastock_prod

## 改めて薬剤在庫管理システム用の領域を作成する
$ sudo -u orcastock createdb -T template0 -E UTF8 orcastock_prod

## ダンプファイルをインポートする
$ sudo -u orcastock pg_restore -x -O -d orcastock_prod orcastock.dump

## システムを起動
$ sudo systemctl start orcastock

なお、上記バッグアップ・リストア手順における、システムの停止、起動コマンドはUbuntu16.04用のものを記載しています。 Ubuntu14.04で実施する場合は、それぞれUbuntu14.04用のコマンドに読み替えて実行してください。


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